代数学の参考書

読み物

代数系全般

線形代数

群論

著者名・タイトル難易度内容書評
寺田至、原田耕一郎「群論」(2006)
永尾汎、津島行男「有限群の表現」(1987)群の表現論の入門書
Zimmermann「Representation Theory: A Homological Algebra Point of View」(????)群の表現論の専門書
永田雅宜、本田欣哉「アーベル群・代数群」(????)無限アーベル群論の入門書
Kaplansky「Infinite Abelian groups」(????)無限アーベル群の専門書
Fuchs「Infinite abelian groups vol 1-2」(????)無限アーベル群の専門書
Isaacs「Finite Group Theory」2有限群論に関する教科書

可換環論

著者名・タイトル難易度内容書評
新妻弘「イデアル論入門」(????)
成田正雄「復刊 イデアル論入門」(2009)
Miles A. Reid「可換環論入門」(2000)
Atiyah‐MacDonald「可換代数入門」(2006)可換環論の基本的な話題について触れられている。局所化・完備化といった重要な操作や、準素イデアル分解などの道具、また Noether 環や Artin 環といった重要な環のクラスなどについて解説されている。さらに簡単な次元論についても触れられている。$\mathrm{Spec}$ については本文中には解説されていない。演習問題が多い。数問ほど特に難しいものがある。本文の解説はかなりコンパクトにまとまっている。
後藤四郎、渡辺敬一「可換環論」(2011)現代可換環論の基本的な技術がコンパクトにまとめられており、本書1冊で論文を読むのに必要な語彙は充分まかなえる。他の和書にない特徴として、著者の専門であるBuchsbaum環やFLC環などの記述があげられる。
松村英之「復刊 可換環論」(2000)可換環論の両輪であるイデアル論、ホモロジー代数的手法の両方を、端正な筆致で書き下ろしている。行間は比較的狭く、記述も丁寧で独習にも良いと思われる。半面、局所コホモロジーなど現代的に不可欠な手法で本書に記述がないものもある。
Kaplansky「Commutative rings」(????)
Eisenbud「Commutative Algebra」(1995)
Bruns, Herzog「Cohen-Macaulay rings」(????)
Yoshino「Cohen-Macaulay modules over Cohen-Maculay rings」(????)
Fuchs, Salce「Modules over Non-Noetherian Domains」(????)付値整域、Pruefer整域などの非Noether整域に関する議論から始まり、次いでこのクラスで用いられる加群論が説明されている。特に特別な仮定の元でのホモロジー次元の振る舞いなどにも詳しい。この教科書で解説されている精緻なホモロジー代数に於いては、ZFC上独立な命題がしばしば現れる。このような集合論的な問題についても多少は踏み込んでいるものの、本格的に扱われてはいない。
Eklof, Mekler「Almost free modules -- Set-theoretic methods revised edition」(????)Whiteheadの問題に端を発する集合論的加群論の辞書的な教科書である。ZFC上独立な幾つかの公理を導入して之を用いるが、ZFC上の独立性は証明せずに認めている。このため強制法などの公理的集合論的な技法を本格的に学ぶことなく、公理的集合論のユーザーとして集合論的加群論を学ぶことができる。

非可換環論

著者名・タイトル難易度内容書評
岩永恭雄、佐藤眞久「環と加群のホモロジー代数的理論」(????)2章から5章までで加群論を叮嚀に扱っており、例えば4章では平坦加群の特徴づけなどが証明されている。具体的な加群の性質を調べることで加群の圏の大域的な性質を調べる下準備を行い、6章以降のホモロジー代数的な議論に繋がっている。5章では加群論の記念碑的結果である森田理論が解説されていることは特筆すべきであろう。7章以降は古典的な非可換環のイデアル論や表現論を扱っており、局所化に関する記念碑的な結果であるGoldieの定理(の一部)が証明されている。非可換環論の入門書。多少の環論さえ知っていれば読み始めることが出来る点も含めて可換環論に於けるアティマクに対応する位置づけができる。
Lam「A First Course in Noncommutative Rings」(????)
Lam「Lectures on modules and rings」(????)
Ford「Separalbe Algebras」(????)
Reiner「Maximal Orders」(????)整環に関する専門書である。
Anderson, Fuller「Rings and Categories of Modules」(????)圏論的に記述されているため、双対性が強調されている。
McConnell, Robson「Noncommutative Noetherian Rings」(????)非可換Noether環のイデアル論の全体を把握することができる大変優れた教科書である。分量が多い点を除けば特に読みにくい部分もなく、環と加群のホモロジー代数的理論をある程度読み進めていれば取り組める本である。
Goodearl「Von Neumann Regular Rings」(????)von Neumann正則環の専門書である。
Tuganbaev「Rings close to regular」(????)von Neumann正則環の一般化に関する結果をまとめた専門書である。
Nicholson, Yousif「Quasi-Frobenius Rings」(????)準Frobenius環に関する専門書である。
Kasch「Modules and Rings」(????)完全環や双対性質、準Frobenius環などの非可換環論に於いて仮定されがちな常識が本の後半にまとめられており、専門書を読む際に前提知識が不足していると感じたらば参照するとよい。
Faith「Algebra II Ring Theory」(????)Kaschと同様の位置づけの本である。

多元環論

著者名・タイトル難易度内容書評
浅芝秀人「SGCライブラリ155 圏と表現論 2-圏論的被覆理論を中心に」(????)
Baba, Oshiro「Classical Artinian Rings and Related Topics」(????)中山多元環の一般化である原田多元環というクラスに関する専門書である。
Auslander, Riente, Smalo「Representation theory of Artin algebras」(????)古典的名著
Assem, ,Skowronski, Simson「Elements of the representation theory of assosiative algebras vol 1-2」(????)多元環の表現論,特に箙の表現論やAuslander-Rieten理論を殆ど前提知識を仮定せずに学び始めることができる。環と加群のホモロジー代数的理論の6章まで読んでいれば十分読めるだろう。代数閉体上の有限次元多元環に制限していることでRepresentation theory of Artin algebrasに比べると議論が単純になっている箇所がある。一方で前提知識を減らすためか一部の証明は「何が起こっているのか」「何をやっているのか」が分からないことがあるが、このようなときは元論文に当たるのが最適である。
Skowronski, Simson「Elements of the representation theory of assosiative algebras vol 3」(????)
Skowronski, Yamagata「Frobenius algebra I, II」(????)Elements of the representation theory of associative algebrasと同様の内容を扱っており、より体系的に整備されているため一部の証明が分かり易くなっている。代数閉体上の有限次元多元環に制限していることでRepresentation theory of Artin algebrasに比べると議論が単純になっている箇所がある。一方で前提知識を減らすためか一部の証明は「何が起こっているのか」「何をやっているのか」が分からないことがあるが、このようなときは元論文に当たるのが最適である。
Kirillov「Quiver Representations and Quiver Varieties」(????)箙多様体まで扱っていて偉い

ホモロジー代数

ホモロジー代数においては、加法圏・アーベル圏・導来圏といったクラスの圏が用いられる。アーベル圏などについては圏論の基礎においても記述があるが、河田などの標準的なホモロジー代数の本を直接読んでも問題はないだろう。圏論の基礎においては、Abel圏上でもMono射の同値類を取ることで元を取らずとも同様の議論を行える手法を解説している点はユニークだが、実用面ではMitchellの埋め込み定理を認めるケースが多い。圏論の参考書(ホモロジー代数)のページも参照。

著者名・タイトル難易度内容書評
志甫淳「層とホモロジー代数」(2016)加群論の基礎から始め、アーベル圏の文脈に一般化する形で理論を展開している。この本ではAbel圏に於けるホモロジー代数を議論する前にMichellの埋め込み定理を用いて加群圏の議論に帰着させており、スペクトル系列の基礎的な事柄も書かれている。最後に層論が解説され、層係数コホモロジーなどの説明が与えられている。スペクトル系列の計算例などはあまり書かれていない。
中岡宏之「圏論の技法」(????)アーベル圏やその一般化である完全圏の文脈でホモロジー代数を展開している。この本ではMichellの埋め込み定理に依存せず、図式追跡で諸々の命題を示しているという特色がある。完全圏や三角圏は多元環の表現論の文脈で基礎的に用いられる道具であり、これを学ぶのに最適である。一方でスペクトル系列の議論などは一切書かれていないため、より幾何的な分野でホモロジー代数を用いる際には不足の可能性がある。
安藤哲哉「ホモロジー代数学」(2010)可換環論への応用が比較的よく書かれている。
河田敬義「ホモロジー代数」(1990)古典的名著
Northcott「ホモロジー代数」(????)可換環論への応用が比較的よく書かれている。
Cartan, Eilenberg「Homological Algebras」(????)古典的名著
Gelfand, Manin「Methods of Homological Alegebra」(2004)比較的現代的に書き直されたホモロジー代数の教科書。1章は単体的集合論に充てられているが、圏論を用いずに議論しているためかなり見通しが悪く、泥臭い議論をしている。一方で2章の圏論は比較的端的に書かれており、ある程度前提知識を有している方が望ましく感じる。
清水勇二「圏と加群」(????)Gabriel-Popescueの定理の証明が載っている数少ない和書の一つ
高橋篤史「SGCライブラリ89 弦理論の代数的基礎 環・加群・圏から位相的弦理論,ミラー対称性へ」(????)dg圏論やGabriel-Popescueの定理の証明が載っている数少ない和書の一つ。誤植は少なくない。
梶浦宏成「SGCライブラリ75 数物系のための圏論 導来圏,三角圏,$A_\infty$ 圏を中心に」(????)$A_\infty$ 圏の最も基本的なことはこの文献に書かれている。実際に使用する上では不足の感を否めない。
Benson「Representations and cohomology I: Basic reprsentation theory of finite groups and associative algebras」(????)
Benson「Representations and cohomology II: Cohomology of groups and modules」(????)
Freyd「Abelian Categories」(????)ホモロジー代数とは若干離れるが、アーベル圏論の基礎的な文献である。古典的名著
Popescu「Abelian Categories with Applications to Rings and Modules」(1987)ホモロジー代数とは若干離れるが、アーベル圏論の基礎的な文献である。古典的名著
Stenstroem「Rings of quotients」(1987)ホモロジー代数とは若干離れるが、アーベル圏論の基礎的な文献である。古典的名著
Faith「Algebra I Rings, Modules, and Categories」(????)

体論とGalois理論

著者名・タイトル難易度内容書評
永田雅宜「可換体論〔新版〕」(1985)
藤崎源二郎「体とGalois理論 I-III」(????)実閉体や付値論までを含めた大変内容の豊富な教科書である。
Karpilovsky「Topics in Field Theory」(????)体の拡大に関する議論をまとめた辞書的教科書。
Fried, Jarden「Field Arithmetic」(????)PACなどのモデル理論との関わりに詳しい辞書的教科書。
Borceux,Janelidze 「Galois Theories」(????)古典的なGalois理論の一般化である圏論的Galois理論の教科書。3章までは古典的Galois理論や無限次元Galois理論の復習のため、最低限の環論および体論を知っていれば読める。一方で4章以降は圏論に関してはある程度前提知識があった方がよい。

数論

著者名・タイトル難易度内容書評
雪江明彦「整数論1: 初等整数論からp進数へ」(2013)1初等整数論の基礎・代数の基礎について解説されている。またいくつかの不定方程式の整数解が決定される。整数論の入門書としては至高の一冊である。第1章から第4章にかけては初等整数論における話題が解説される。「すべての自然数が四つの平方数の和として表すことができる」という有名な定理についても証明されている。第8章においては、基礎的な代数的整数論のテクニックを用いて、様々な不定方程式についてその整数解を決定する。明快に、そして鮮やかに方程式が解かれてゆくさまは非常に魅惑的である。第5章から第7章においては、第8章の議論の基礎として、群・環・体についての理論が短くまとまっている。第9章においてはp進数の概念が導入される。
雪江明彦「整数論2: 代数的整数論の基礎」(2013)
雪江明彦「整数論3: 解析的整数論への誘い」(2014)
加藤和也 他「数論〈1〉Fermatの夢と類体論」(2005)
加藤和也 他「数論〈2〉岩沢理論と保型形式」(2005)
Jeseph H.Silverman,John Tate「楕円曲線論入門」(2012)
N.Koblitz「楕円曲線と保型形式」(2012)
斎藤毅「フェルマー予想」(2009)

Hopf代数

著者名・タイトル難易度内容書評
阿部英一「ホップ代数」(????)かなり整理された書き方が為されており、ある程度代数の議論に慣れていることが望ましい。

より発展的な教科書



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Last-modified: 2020-09-26 (土) 23:16:07 (32d)